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「ポスターを作ることに決まったけど、費用はいくらかかるんだろう?」
「これまで依頼したことがないから、どこに頼んだらいいかわからない」
「チラシくらいなら自分でも作れそうだけど、ポスターは大きいから無理…」
ポスターは広告や掲示の手段として、今も根強く使われています。
WEBやチラシのような拡散力や携帯性はありませんが、大きな面積で、見る人に繰り返し訴求することに適しており、店舗やイベント、電車広告など、様々な場所で効果的に使われています。
また現在ではデジタルサイネージにも流用できることで、用途・掲載場所ともに増加・多様化しています。
ポスター制作においては、1枚の限られた領域内でイメージやイラスト、キャッチコピー、細かい情報も効果的に配置して印象づけするため、専門的なデザインのバランス感覚が必須とされます。
文字の大きさ一つとっても、サイズが大きいために、デザイナーでなければ調整が困難です。
そのため、デザイナーが所属している制作会社に依頼するのが確実でしょう。
依頼するにあたって、費用の内訳がどうなっているか、何に気をつければ安く抑えられるかといったポイントがありますので解説してまいります!
ポスターデザイン制作の料金相場は、印刷費を除き5~30万円ほどで幅があります。
この総額には、デザインおよびディレクション(進行管理を含むトータルディレクションやアートディレクション)、コピーライティング、撮影などが含まれることが一般的です。
これらと別でかかる印刷費も、サイズや紙質、印刷方法、枚数によって差があります。
また用途とサイズによっても費用に差が出ます。
用途と貼る場所によって適切なサイズが変わるため、そのサイズに応じてデザイン制作費と印刷費が変わってくると考えるとわかりやすいでしょう。
いくつかのパターンを例としてご紹介します。
■ A2ポスター 5部
使用する画像素材あり、イラスト制作不要、キャッチコピーなど文章確定済み
デザイン制作費 | 50,000円 |
---|---|
企画・ディレクション費 | 10,000円 |
版下作成費 | 3,000円 |
印刷費 A2、オンデマンド印刷、光沢紙、片面カラー、5部 |
5,000円 |
合計 | 68,000円 |
■ A2ポスター 100部
使用する画像素材なし、イラスト制作あり、キャッチコピー未定
デザイン制作費(イラスト制作を含む) | 120,000円 |
---|---|
企画・ディレクション費 | 30,000円 |
コピーライティング費 | 30,000円 |
撮影費(2時間、2~3カット) | 30,000円 |
版下作成費 | 3,000円 |
印刷費 A2、オフセット印刷、光沢紙、片面カラー、100部 |
10,000円 |
合計 | 223,000円 |
■ 大判B0ポスター 5部
使用する画像素材なし、キャッチコピー未定
デザイン制作費 | 180,000円 |
---|---|
企画・ディレクション費 | 40,000円 |
コピーライティング費 | 50,000円 |
撮影費(2時間、2~3カット) | 30,000円 |
版下作成費 | 3,000円 |
印刷費 B0、オンデマンド印刷、光沢紙、片面カラー、5部 |
23,000円 |
合計 | 326,000円 |
これらのように、依頼内容とサイズ、印刷部数と方法によって金額に違いがあります。
ポスターは、利用ケースとサイズをセットで考えると理解しやすくなります。
大きく分けると、駅構内や屋外に貼られる大判ポスター、屋内や電車の中吊り広告などに使われる中・小サイズのポスターがあります。
サイズ感がわかりやすいように、先にこちらの図をご覧ください。
大判ポスターは、比較的遠くから見られることを想定して大きく作られます。近くからだと寧ろ見づらくなります。B1、A0、B0といったサイズが該当します。
それに対して中・小サイズのポスターは、店内など比較的、人が近くから見る想定で作られます。A2、B2、A1といったサイズが一般的です。
ポスター制作料金の内訳は一般的にこれら5つの項目があります。
依頼時に用意が無い場合、下記のような項目も発生する場合があります。
ポスターのデザイン全体を作る、要の部分です。
この費用については相場が3~20万円ほどになりますが、先に説明した利用ケースとサイズによって金額が変わることが一般的です。
ポスターの利用ケースとサイズによる費用相場
大判サイズのポスター 利用ケース:駅構内や屋外など サイズ目安:B1、A0、B0 |
5~20万円 |
---|---|
中・小サイズのポスター 利用ケース:店内や電車の吊り革広告など サイズ目安:A2、B2、A1 |
3~10万円 |
また独自のイラスト制作を含める場合は、その内容に応じて費用が加算されることが一般的です。
ポスターの制作全般を通しての企画、およびスケジュール管理・調整を含む制作進行にかかる費用です。
依頼内容や情報がまったく決まっていない、でも依頼したいという時に、企画費が増える傾向にあります。
ディレクションについては、相場は制作費全体の10~30%という目安もあります。
進行管理費やクリエイティブディレクション費、アートディレクション費と会社によって言い方や捉え方が違います。デザイン性に拘る会社はクリエイティブディレクション費やアートディレクション費としている場合が多いです。
この項目も、制作会社や案件によっては、デザイン制作費の中に含まれていることがあります。
印象を左右するキャッチコピーが定まっていない場合は、コピーライティングを入れることで、より魅力的な仕上がりに影響します。
広告に込める情報の根幹を左右しうる、非常にクリエイティブな領域の一つですので、担当するコピーライターによって費用が大きく変わる場合があります。
版下作成費とは、デザインを印刷するにあたり、印刷所へ入稿する形式でデータを作成する費用となります。
入稿用データは一般的にアドビ社のイラストレーターで作成し、トンボや塗り足し、アウトライン化といった処理が必要になります。
また印刷会社によってフォーマットを指定している場合があります。
費用は入稿データ数から計算されるなどして、ポスターにおける相場としては1万円に満たないか、デザイン制作費に含められていることもあります。
印刷会社、印刷方法、用紙、部数などによって大きく異なります。
特にポスターの場合、10枚程度の少量しか要らない場合もあれば、100枚や1000枚など大量に必要なこともあるでしょう。
印刷方法は、少量向け短納期はオンデマンド印刷、大量向け安価はオフセット印刷となり、価格帯がかなり違います。
オンデマンド印刷の特徴は、少量からの素早い対応が可能ですが、1枚あたりの価格は高くなるため、印刷部数が少ない場合の選択となります。
料金の目安は1枚2,000~5,000円ほどですが、サイズや紙質にもよります。
オフセット印刷の特徴は、数十枚、百枚以上など大量印刷に適した方法です。
料金の目安は100枚で7,000~20,000円ほどですが、こちらもサイズ・紙質で変わることは同様です。
紙質にこだわる、もしくは商材の『色』にこだわりがある場合は、ネット印刷に依頼するのではなく、色校正(色見本)などを見ることができる印刷会社に依頼しましょう。
撮影は、かかる時間や撮影対象、場所などによって大きく変わりますが、1日あたりの金額と交通費で決まることが多いです。
1日あたりの相場としては6~12万円ほどとなりますが、ポスターにおいては1つのポスターデザインに2~3カットの撮影で済めば、3万円ほどにおさまることもあります。
また、ロケーション(屋外やシチュエーション)撮影をする場合は、ロケハン(ロケーションハンティング)を行います。
別途費用がかかる場合がありますが、よりこだわりの反映されたデザインに仕上がります。
会社を立ち上げたばかりで、社名は決まっているがロゴのデザインは無いなど、新規で依頼する場合にこの項目が入る場合があります。
ロゴもブランディングにおいて非常に大切な項目として、かかる費用はピンからキリまでありますが、一つの目安は10~30万です。
会社の規模や商品の展開範囲によって、変動する費用でもあります。
気になる方はこちらの記事をご覧ください。
なおパンフレットやホームページなど他の媒体の相場は、これら別記事で解説しています。
ここまで説明したように、ポスター制作の料金は利用ケースとサイズ、用意できる素材や文章、求める品質、印刷方法や部数などによって変動します。
依頼時にいくつかのポイントをおさえておくことで、割安で成果物を得られたり、高いクオリティを求めるにも安心です。
依頼時には下記のようなポイントを意識しておくと良いでしょう。
デザイン会社での事例として、弊社の制作実績をいくつかご紹介します。
ポスターデザイン制作の料金相場や内訳をご紹介しました。
ポスターは印象重視の傾向があり高度なクリエイティブが求められますので、安さだけを追求することはお勧めしませんが、成果や品質のためにも、以上で解説した内容をぜひおさえておきましょう。
技術の進歩により、紙のポスターからデジタルサイネージ等への置き換えが進んでいますが、ポスターのようにある程度の面積や空間に広告を掲載する形式は、人間が視覚的に情報を捉える限りは無くならないでしょう。
むしろデジタル化が進むとともに、用途・掲載場所の多様化とともに、複数枚のスライド切り替えやアニメーション、動画など表現の幅も広がり、広告手法の一つとして存在感を増していくはずです。
疑問点などありましたら、お気軽にご連絡ください。
またデザイン依頼先を選ぶ時、そもそも「良いデザインは何か?」という考え方について、こちらを参考にしてください。