タイタン・アートのデザイナーインタビュー連載、第1回!
今回は大阪クリエイティブ事業部のデザイナー Sさんにお話を聞きました。
Sさんは柔軟な発想で「それは思いつかなかった!」というクリエイティブを作ってくれながらも、よく無理も聞いていただいて…インタビュアーの私(ディレクター)としても、とても頼りにしている存在です。
驚く速さで仕事を仕上げ、お客さまとの打合せから、社内のマネジメントまでこなす…
そんなSさんに、今回はインタビューさせてもらいました。
ぜひご一読いただけるとうれしいです!
―――Sさんは何でデザイナーになったんですか?
S:子供の時から絵を描くことは好きでした。ノートの端っこにイラストを描いたり。
だから自然とそういう進路を選びました。が、うちは教育熱心な家だったので…ストレートに美術系の進路じゃなくて、大学の建築・デザイン学科コースに試験を受けて入りました。
―――建築の勉強もしてたんですか?
S:わたしは理系で、物理も専攻していました。耐震構造の計算もしていました。ただ、製図で綺麗に線を引いて、1ミリのズレも許されない!というのが苦手で、適当にやったら模型が歪んだりして…。建築は合わず、また、インテリアデザインもあったんですが、そっちは力がいりそうで。
そこで、シンプルに「絵を描くこと」に近いグラフィック、広告などのデザインに落ち着いて、今に至ります。
―――デザインをしていて、どんなときにやりがいを感じますか?
S:一番はお客様に喜んでもらえた時です。
お客様に、いい感じです、さすがですとか言ってもらえた時は、素直に嬉しいです。
あとは、ちょっとひねった発想で、でもそれがその製品や企業様にマッチして、その表現がちゃんとハマった…!という時は楽しいです。
それを人が覚えていてくれるとさらに嬉しいですね。
―――人の記憶に残るのは嬉しいですね。どんな作品がありましたか?
S:お客様の社内向けのポスターで「効率化」を促すもので、公表はできないんですけど、ニュートンがリンゴをバットで打ったら「加速度」が出るということを表現したものを作りました。ユニークなキャッチコピーにビジュアルがはまるのは、気持ちがいいです。
―――好きなアーティストなど、影響を受けた方はいらっしゃいますか?
S:ドラゴンアッシュとB’zは昔から好きでしたね。ライブにも行ったりして。
―――それってデザインに影響あるんですか?
S:ないと思います。影響を受けたアーティストってみんないるものなのですかね…?
でも単純に好きな方はいます。宇野亜喜良(うのあきら)さんのイラストは大学の時から好きでした。
それとダリも好きです。ミュージアムに行ったんですが、あの奇想天外さが。
ビアズリーも、好きですね。
考え方が好きとか難しいことではなくて、単にビジュアルが好きなんです。
―――普段どんなデザインやテイストが得意だと感じますか?
S:単純に女性らしいものは得意な方かと思います。あとは、コンセプトを立ててキービジュアルをドン!と作るデザインも好きです。例えば、少しユニークな写真やかわいいイラスト、ちょっと華やかなイメージ、色やモチーフ。それとコピーの組み合わせなど。打ち合わせでのひらめきを大事にしたいです。
逆に細かいルールのレイアウトを長いページにわたってまとめるのはちょっと苦手ですね…。ページ数の多い会社案内パンフレットとか、うまくできる器用な人と分担しています。
―――制作時に常に気をつけていることがあれば教えてください。
S:「早めに出す」ことです。わたしは自信満々なタイプではなくて…
デザインは制作をスタートする時、100%の正解が誰も見えているわけではないと思います。なので、一度早めにお見せしてデザインを確認してもらって、「いい感じです」「このまま進めてください」と言う言葉をもらって、安心したいんです。お客様にも私に依頼したことに早く安心してもらいたい。
万が一の時も、早めに出しておけば、リカバリーもしやすいので。
―――大変だと思うことはありますか?
S:案件の途中でガラッと方向転換されちゃうことです。「最初はこういう方向だったのに、今回の打ち合わせで話が変わった…!」みたいな。あとは納期が異常に短いとき…これはどんな仕事でも同じだと思いますが。
―――これまでに手掛けた作品で印象深いものを教えてください。
S:そうですね…。色々ありますが、インパクトのあるデザインで言うと、化学系メーカーの日東化成さまの展示会向けのビジュアルで、青いお寿司のイメージですかね。
S:キャッチコピーがビジュアルとはまったと感じたのは、社会福祉法人みおつくし福祉会さまの採用ポスターやタペストリーをデザインさせていただいて、「全ての人の色に花ひらく」というキャッチコピーと、鮮やかな花のビジュアルで表現しました。
S:鶴屋吉信さまで、まめかん露という商品のパッケージデザインも印象に残っています。子どもの頃に好きだった和菓子のブランドだったので。
お茶屋さんで食べるまめかんを、家でも食べられる、をコンセプトに。その空気感を自宅に。まめかんや、あんみつの違い、歴史なども調べながら、パッケージの素材も検討し、色々な案をご提出しました。
最終のデザインは、アートのような作品になり、1つ1つの具材のレイアウト、色味などこだわっています。
S:それと最近、子ども向けの絵本を企画・構成からコピーワークまで全部やらせてもらって、大変だったんですが、それも嬉しかったです。大学の時の先生の言葉を思い出しました。
―――どういうことですか?
S:大学の先生が「デザインは世界を変える」ことだと言っていたことが、今でも心に残ってて。例えば眼鏡にお花をつけるのが流行ったら、それが当たり前になるでしょ、それがデザインであり、世界をつくることだ、みたいな。
それを受けてわたしは、未来をつくる=子どもの教育と考え、卒業制作で「絵本」をつくったんです。
そんなわけで仕事で初めて「絵本」をつくらせてもらい、学生の時に夢見た仕事に携われて、わたしはもうデザイナーとして終わりを迎えるのかなと思いました…。
―――タイタン・アートのいいところは何ですか?
S:いろんな業種、媒体を幅広くデザインできることです。
だからこそお客様にも、違う業界の要素を取り入れた、新しいデザインを提案しやすい、と思います。
化粧品や食品もあれば、工業系やガス管など、本当にいろんな案件があるので、個人的にもいろいろなことが知れて、面白いです。その分、大変ですが…。
それと、自分の判断で思いっきりやらせてもらえていること、お客様との距離が近いことも魅力です。
以前にいた会社では、全案件営業担当を挟んでやり取りする形だったので、それではお客様の本音がわかりづらい部分もあったんですが、タイタンでは直接打ち合わせしたり電話しているので、リアルな反応がを拾えてスピード感も出るのが良いです。
「自由にやっていい」という雰囲気があること。もちろん責任は伴いますが、お客様の反応が直に聞き取れるのはデザイナー冥利に尽きます。
大変なときもありますが、そこで作ったデザインが誰かの記憶に残ってくれたら、この上なくやりがいを感じます。
―――今後のいきごみもお願いします!
S:がんばります!
よいデザインを作り続ける、お客様に満足していただき、私も満足したい。
「人の記憶に残るデザイン」がしたいです!