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デザイン費用の勘定科目を解説!固定資産や繰延資産になるケース

ディレクターブログWEBデザインロゴ
投稿日:2023.08.01
更新日:2024.05.22
デザイン費用の勘定科目を解説!固定資産や繰延資産になるケース デザイン費用の勘定科目を解説!固定資産や繰延資産になるケース

*この記事は5分で読めます。

自社のブランドや商品、店舗を運営されている方は、デザインを制作会社に依頼されることがあると思います。
WEBサイトやパンフレット、商品パッケージなどのデザイン費は、「先行投資」かつ「節税」になるため、企業経営において非常に重要な、得をする使い方ができます。

  • 「広告宣伝費」として一括計上で節税、または「資産」扱いで減価償却として複数年度の損益に計上できるケースもあり
  • その性質上、広告として将来に売上を回収できる「先行投資」になる

同じ節税をするにも、同時に将来のための投資となることが大きなメリットです。
古いデザインのWEBサイト、パンフレット、広告、システムを放置のままでは利益が得られない機会損失となるため、デザインの改修を考えている場合は、実施は早い方が良いと言えます。

このデザイン費の会計上の仕訳を意識したことはありますでしょうか。
デザイン費は、基本的には「広告宣伝費」に計上されますが、制作物のジャンルや金額、他にも条件を満たすと「無形固定資産」や「繰延資産」に仕訳され、複数年度で償却することで節税になる場合があります。
例えば、20万円以上であればロゴデザイン費は資産として計上し、複数年度で償却される勘定科目になります。

この記事では、デザイン費を資産として計上できるケースについて解説いたします。

デザインが固定資産や繰延資産となるケース

はじめに前提として、デザイン費が仕訳される勘定科目について説明します。

上にも書いたように一般的にはデザイン費は広告宣伝費です(実際の取引と名目によって業務委託費や支払手数料といった科目に仕訳される場合も)。
それが特定の条件を満たすことで、ソフトウェアや開発費と見なされ、無形固定資産や繰延資産に仕訳されます。

《基本の仕訳》
・広告宣伝費 … 単年で一括損金処理

《特定の条件での仕訳》
・無形固定資産(ソフトウェア、商標権) … 減価償却
・繰延資産(開発費) … 任意償却

※固定資産と繰延資産の細かい解説は省きますが、どちらもB/S(貸借対照表)の資産の部に入ります。

この無形固定資産となった場合、例えばソフトウェアとして耐用年数5年にあたるとすると、定額法という税法上の仕組みで、5年に分けて償却となります。
一方で繰延資産の開発費は、いつどれだけの金額を償却するかを決められる「任意償却」であり、5年の「均等償却」も選択できます。

具体的にどのようなデザイン依頼時にこれらが適用されるか、次項から見ていきましょう。

ロゴデザインの場合(金額と商標登録の有無)

ロゴデザインでは、金額と商標登録の有無によって、勘定科目が変わります。

まず金額は20万円が基準となり、未満なら広告宣伝費として一括で費用計上です。
20万円以上の場合は、もう一つの条件である、商標登録をしていなければ繰延資産(開発費)、商標登録をしていれば無形固定資産(商標権)となります。
これらをまとめると下記の表になります。

条件 処理
金額 商標登録 勘定科目 計上時期・期間
20万円未満 広告宣伝費 一括損金計上
20万円以上 なし 繰延資産(開発費) 任意償却(計上時期と金額は自由)
20万円以上 あり 無形固定資産(商標権) 減価償却(10年で定額償却)

20万円未満の広告宣伝費の場合は一括損金計上できて扱いやすいと言えますし、一方で20万円以上の商標無しの時の繰延資産の場合は、償却費の計上時期と金額を自由に決められるのが便利です。

ホームページデザインの場合(ソフトウェアに該当するか)

ホームページデザイン

ホームページのデザインは、基本は広告宣伝費です。
これは企業そのものや事業、商品のPRのためにホームページを作るという名目から、イメージされやすいと思います。

しかしホームページも、プログラムが含まれる(例えばオンラインショッピング機能、検索機能、会員機能など)という条件においては無形固定資産(ソフトウェア)と見なされ、減価償却を行うことになります。

このソフトウェアとみなされるかどうかは、その機能性が判断要素になります。
画像や文章だけのホームページでは、ソフトウェアとは見なされない可能性があります。
しかし、オンラインショッピング(ECサイト)やデータベースに会員情報を保存する会員サイト、また画面内に問合せ回答用のチャットボットや高度な検索機能が実装されたサイトであれば、そのプログラムの機能性から、ソフトウェアと見なされる可能性が高いでしょう。
制作依頼するホームページがこれに該当するかは、専門家(税理士さん)や依頼先に相談すると良いでしょう。

また減価償却の償却期間にあたる耐用年数については、税法上の基準から、自社のホームページであれば " 2「その他のもの」5年 " に該当します。
出典:No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数|国税庁

まとめると下記の表になります。

条件 処理
ソフトウェアにあたる機能性 勘定科目 計上時期・期間
なし 広告宣伝費 一括損金計上
あり 無形固定資産(ソフトウェア) 減価償却(自社ホームページの場合、5年で定額償却)

まとめ

ここまでご紹介した内容、ロゴデザインやホームページのデザインは、あらゆる企業が持つものであり、調達・運営する方法はそれぞれですが、全くの無関係という会社は無いはずです。
また店舗を持たれる場合は、店舗の内装デザイン(内装工事)も、一部を除き(10万円未満の現状回復工事など)固定資産とみなされます。

内装デザイン

これらのように税法上で仕訳が変わることを考えると、デザイン費にかける予算や依頼内容も変わることがあるのではないでしょうか。
デザインを、大切な会社の資産として、または事業メリットの出る形での費用計上として、適切な処理をご検討ください。

ご不明点があった場合、またデザイン依頼内容のご相談も、お気軽にご連絡ください。

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